ビルトインコンロの選び方
安全面
ビルトインコンロは昔に比べてかなり進化しています。
2008年より安全基準が変わり、全口に温度センサーが搭載されたSiセンサーコンロが基準となりました。新しいビルトインガスコンロは安全面でもさらに高い水準を誇るものとなっています。
鍋などがコンロに無いときは火が付かないようにする鍋なし検知、小さい子供が誤って点火するのを防ぐチャイルドロックなどの機能もあります。
また、テーブルコンロはガス配管ホースが丸出しの状態なので不自然な状態でホースが曲がってしまう事もあり、余分な負担がかかりつづけると知らぬ間にガス漏れが生じる場合もありますが、ビルトインコンロなら外側から見えない様にガス台の下などに配管ホースを設置するのでガス漏れの心配もなく安心です。
バーナー周り
バーナー周りにあった「汁受け」がなくなり、吹きこぼれもさっと拭き取れるフラットな形状になっています。また、ゴトクは取り外しやすく、汚れやすい部分が少ないコンパクトな形状です。この形が新しいビルトインコンロのスタンダードです。
機能
セットした時間で消火するタイマー機能と、過料を一定の温度で保つ温度調節機能。どちらも一部機種を除いてほぼ全てのビルトインガスコンロに標準搭載されています。音声ガイドで操作ガイドや危険を知らせてくれる機能が搭載されているビルトインコンロもあります。
グリル
グリルと言えば水を張って使うものでしたが、新しいビルトインコンロは水を使わずに一気に上下から火を入れる両面焼きがスタンダードになりました。両面焼きのグリルは食材をひっくり返す必要が無く、短時間で食材を美味しく焼き上げます。また水を張らないのでお手入れのしやすさも格段にアップしています。グリル専用の鍋などもメーカーによってはセットで販売されています。
ガスの種類
ビルトインコンロを購入するにあたってご自宅で使用しているガスが
「都市ガス」と「LPガス」のどちらなのか、確認が必要です。
どの機種も「都市ガス用」と「LPガス用」があり、必ずご使用しているガス種を選ぶ必要があります。
「ガス種」が違うビルトインコンロを使用する事はできないことと、火災や事故の原因になるため
必ずガスの種類は確認して下さい。
天板幅
現在設置のビルトインコンロの天板幅を参考に、新しいビルトインコンロの天板幅を選びます。
ビルトインコンロの天板幅は、各メーカー規格が共通化されていて60㎝幅か75㎝幅の2サイズから選びます。
標準サイズは60㎝幅となります。ほとんどのビルトインコンロがこの2サイズをラインナッぷしており、現状設置のガスコンロの天板幅と同じサイズのものにするか、または交換を機に幅の変更をすることも可能です。
ただし、機種によってはもともと1サイズしかライナップされていないものもありますのでご注意してください。
天板の種類
ビルトインコンロの天板には何種類かの素材があり、特徴が異なります。
同じシリーズ内で天板の種類を選択することが難しいので、あらかじめデザイン・価格・天板の種類など何を一番重視するかを決めてから選ぶと選びやすいと思います。
・ホーロー素材の天板
最近はメタルトップと呼ばれることが多いです。
鉄板にガラスの釉薬を焼き付けた天板です。
鉄板なので丈夫ですが、汚れ落ちの面ではガラスやガラスコートに劣ります。
圧倒的にお求めやすい価格のものが多く、価格重視の方にはお勧めです。
・ガラスコート素材の天板
ホーロー用鋼板にガラスのようなコートを施した天板です。
ホーローの強度とガラスの美しさのどちらも兼ね備えた素材です。
お手入れ性ではガラストップ同様にとても優れた天板になり、明るめの色などカラーバリエーションが豊富なのも特徴です。ベーシックグレードコンロに搭載されていることが多く、お求めやすい価格帯が特徴です。
・ガラストップ素材の天板
明るめのカラーラインナップとクリア感、光沢が特徴的な強化ガラス素材の天板です。
最新のビルトインコンロの多くがこのガラストップを採用し、人気があります。
強度ではホーローに及ばないものの、お手入れ性ではどの天板よりも優れています。
ガラスコートと同じで、カラーバリエーションも豊富でキッチンを明るくしたい、高級感あるキッチンを演出したいなど、デザイン面からもお勧めの天板素材です。
・アルミ素材の天板
熱を分散させやすいアルミ素材の天板。
バーナー周りの焦げ付きなどが起きにくいメリットがあります。
マットな質感で落ち着いたデザインで、お手入れ性や扱いやすさではガラストップに劣りますが、衝撃に強いという特徴があります。
グリルの種類と機能
昔はグリルは「魚焼き器」というイメージが強かったですが、最近のビルトインコンロのグリル機能は
大幅に機能性が増し、魚を焼くだけではなく、トーストやグリル調理など存分に楽しめる機能が充実しています。
・水なしグリル(無水グリル)
少し前まではグリルの受け皿に水を入れて使用するのが一般的でした。
しかし、これが手間でしかもトレイを出し入れする際に水がこぼれたり、調理後の油まみれのトレイを
洗うのが面倒でグリルを使用しないという人も多いと思います。
しかし、現在のグリルは技術が進化して水を入れる必要が無い『水無しグリル(無水グリル)』が主流になってきました。手間がなくなったのはもちろんですが、水なしで焼き上げるのでカリッと仕上がるようになったんです!
さらに受け皿もフッ素コートやクリアコートなど油汚れに強くなっているので、格段に洗いやすくなっています。
・オートグリル機能
オートグリル機能とは、自動で火力調整をして魚を焼き上げる機能で、火加減や焼き加減の難しい
焼き魚をグリルに完全お任せで自動コントロールしてくれます。
メニューには姿焼き・切り身・干物などがあり、焼き加減も選ぶことが出来ます。
細かい火加減の調節は自動で行ってくれるため、魚を入れてボタンを押すだけでOK。
よく焼き魚をする人、魚を焼くのが苦手な人、何度も火加減を調整するのが面倒という人には
とってもお勧めの機能です。
・グリルオートメニュー
グリルオートメニューは、各メーカーの機種によって内容はいろいろですが、代表的なのが
『トーストモード』と『あたためモード』です。
トーストモードはその名の通り、自動でトーストを焼く機能です。
ガスで焼くので、トースターよりも素早くおいしく焼き上げてくれるので、忙しい朝には最適です。
あたためモードはお惣菜の揚げ物や焼き魚などを自動で温めなおしてくれる機能です。
電子レンジよりもカリッとおいしく仕上げてくれるので、使って頂いている方には好評ですよ。
メーカーで違うグリル専用調理器具
このように、最近ではグリルで調理することが増えてきているため、グリルで使用する専用調理器具
などを各メーカーが出しています。
この調理器具を使うことで、グリルで煮る・蒸すなど多彩な調理が可能になります。
さらに専用調理器具を使用するとグリル内の油の飛び散りなどを大幅に抑えてくれるのでグリルのお手入れがかなり楽になります。
プレートタイプから深型鍋タイプなど、各メーカーでそれぞれの専用調理器具がありますが、どのビルトインコンロでも使用できるわけではないので、それぞれの特徴と共に対応しているビルトインコンロかどうかも確認しましょう。
主にミドルグレード以上の機種が専用調理器具に対応しています。
また機種によって付属の場合と別売りの場合があるので合わせて確認しましょう!
リンナイ
・『ココットプレート』ーリンナイ製の蓋つきの浅型グリル調理器
・『ザ・ココット』ー「デリシア」専用の蓋つき万能鍋でコンロでも使用可
・『ココットダッチオーブン』ー「デリシアグリレ」のグリル専用ダッチオーブンでパンやケーキまで作ることが可能です
パロマ
・『ラ・クック』ーパロマの蓋つきグリル専用調理器具
・『ラ・クックグラン』ーラ・クックに比べて深型で奥行きが大きいので、煮込み料理に最適です
ノーリツ
・『クックボックス』ー焼き網グリルタイプに対応している専用調理器具です
・『キャセロール』ー蓋つきの深型厚手鍋です
・『プレートパン』ー焼き網が無いマルチグリル搭載のビルトインコンロで焼き網の代わりとして使用するグリル専用調理器具です
この様に、各メーカで沢山のグリル用の調理器具があります。
グリルでお料理をしたい方は、どういう料理を普段多く作っているのか一度考えてご自分に合った調理器具が使えるビルトインコンロをお選び下さい。
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